【制度を正しく使う】紹介状なしの大病院受診と「選定療養費」(初診・再診・時間外)の目的/例外/施設差ガイド ー伊藤憲和
【制度を正しく使う】紹介状なしの大病院受診と「選定療養費」(初診・再診・時間外)の目的/例外/施設差ガイド ー伊藤憲和
この記事の狙い(Blogger版)
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なぜ取られるのか(目的・来歴)、いくらかかるのか(下限額・施設差)、払わなくてよい例外を一次情報で整理
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紹介受診重点医療機関や**#7119/Q助との正しい使い分け**で、受診の迷いと無駄を減らす
作成:伊藤憲和 / Norikazu Ito
結論(まずここだけ)
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制度の狙い:外来機能を診療所→大病院へ役割分担するため、紹介状なしで大病院を受診すると**「特別の料金(選定療養費)」がかかる仕組み。対象は特定機能病院**、地域医療支援病院(200床以上)、そして紹介受診重点医療機関など。(厚生労働省)
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下限額の目安(税込の最低基準)
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初診:7,000円以上(歯科 5,000円以上)
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再診:3,000円以上(歯科 1,900円以上)
※病院が上乗せ設定するため施設差あり(例:7,700円や11,000円など)。(厚生労働省)
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例外(払わなくてよい):緊急その他やむを得ない事情があるときは徴収してはならない。救急車搬送などが典型。(厚生労働省)
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迷うとき:#7119(救急相談)やQ助(全国版受診ガイド)で緊急度を整理し、本当に大病院が必要かを確認。(消防庁)
仕組み・来歴(骨組みをつかむ)
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「選定療養」とは:公的医療保険の外で、患者の選択により特別の料金を支払って受ける枠組みの総称。大病院の初診・再診や時間外診療、差額ベッド、長期収載品(先発薬)選択などが含まれる。(厚生労働省)
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金額の引上げと対象拡大:2022年10月から最低基準を引上げ(初診7,000円以上・再診3,000円以上)、さらに一般病床200床以上の「紹介受診重点医療機関」にも徴収義務を拡大。都道府県がリスト公表を進めている。(厚生労働省)
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施設差の実例:公的下限は同じでも、現場の設定は7,700円や11,000円など幅がある(各病院告知に準拠)。(kitahari-mc.jp)
「払わなくてよい」例外と、よくある勘違い
例外(制度の条文上の大原則)
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緊急やむを得ない事情では徴収してはならない(救急車搬送、救急的治療が必要な場合など)。窓口で説明すれば免除対象になり得る。(厚生労働省)
勘違いの訂正
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 紹介状がないと診てもらえない | 診療は可能。ただし特別の料金がかかる(例外あり)。(厚生労働省) |
| 同じ病院なら他科はタダ | 院内紹介がない別科初診は初診時選定療養費の対象になり得る。受診前に院内紹介の可否を確認。(kitahari-mc.jp) |
| 時間外でも同じ | 時間外選定療養費を別途設定する病院あり(軽症・自立で来院など条件あり)。金額は施設差。(厚生労働省) |
「紹介受診重点医療機関」を見つける(都道府県の公表に差)
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定義:かかりつけ医からの紹介で受診することに重点を置く医療機関。紹介状なし受診では特別料金が原則必要。(厚生労働省)
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公表の場所:都道府県サイトにリスト(例:大阪府、高知県など)。地域ごとに公表時期・更新頻度が異なるため、自分の都道府県ページで最新を確認。(大阪府)
いくらかかる?(実例でつかむ)
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初診時:下限7,000円以上(歯科5,000円以上)。病院例:7,700円、11,000円など。(厚生労働省)
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再診時:下限3,000円以上(歯科1,900円以上)。病院例:3,300円など。(厚生労働省)
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時間外:病院ごとに設定(例:7,700円)※条件あり。(kumakenhoku-hp.jp)
注意:金額は「最低基準」+各病院の設定。税込で掲示されるのが原則です。(厚生労働省)
今日からできる“最小の実務”
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#7119/Q助で緊急度を確認(赤信号なら119が最優先)。(消防庁)
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まず近隣のかかりつけ医・診療所に受診→必要時に紹介状をもらう(院内別科でも院内紹介の可否を確認)。(厚生労働省)
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行き先の病院ページで選定療養費の金額・例外・時間外の扱いを事前確認(例:初診7,700円/再診3,300円等)。(厚生労働省)
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都道府県のリストで紹介受診重点医療機関かを確認(対象なら原則徴収)。(大阪府)
電話連絡テンプレ(コピペOK)
【受診前の確認メモ】
病院名:____科:___ 予定日:__
質問1:紹介状なし初診の選定療養費(医科)金額はいくらですか?
質問2:同日・別科受診は院内紹介で選定療養費対象外になりますか?
質問3:時間外の選定療養費(軽症・自立来院)の条件と金額は?
質問4:救急外来で緊急性が高い場合の取扱い(免除要件)は?
記録者:__ 電話:__ 対応者:__ 日時:__
関連する“選定療養”も一緒に把握
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差額ベッド(特別療養環境):病室の環境差分に対する自己負担。(厚生労働省)
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長期収載品(先発薬)選択:ジェネリックとの差額の1/4相当+消費税を特別料金として追加負担(薬局窓口での運用)。(厚生労働省)
よくある“損”→正しい置き換え
| 損する動き | 置き換え |
|---|---|
| 紹介状なしで直接・大病院へ | かかりつけ医→紹介状で必要時のみ大病院へ。#7119/Q助で“本当に今必要か”を確認。(消防庁) |
| 「救急じゃないけど時間外に行く」 | 時間外選定療養費がかかることあり。平日時間内+紹介状で。(kumakenhoku-hp.jp) |
| 同一病院の他科へ自己判断で初診 | 院内紹介の可否を主治医・病院に確認。院内紹介が出れば回避できる場合あり。(kitahari-mc.jp) |
公式・一次情報(確認リンク)
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厚生労働省
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都道府県の公表例:大阪府・高知県のリスト/解説ページ。(大阪府)
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制度の周知(政府広報):対象・金額の引上げの要点。(政府オンライン)
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病院の実際の設定例:7,700円や11,000円などの掲示。(kitahari-mc.jp)
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救急の判断補助:#7119(消防庁)/Q助(全国版受診ガイド)。(消防庁)
安全の線引き(YMYL)
本記事は制度の一般情報です。呼吸困難・意識障害・激しい胸痛/頭痛・片まひ・けいれん・大量出血など緊急のサインは直ちに119(迷えば#7119/Q助)。選定療養費の徴収有無・金額・例外は各病院の掲示・説明と都道府県リストが最終です。受診前に病院ページと自治体サイトで最新の条件を必ず確認してください。
作成:伊藤憲和 / Norikazu Ito
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