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【“FASTで119”を仕組みにする】脳卒中が疑わしいときの行動手順——発症時刻・搬送・治療の時間窓(rt-PA 4.5時間/血栓回収 最大24時間)ー伊藤憲和

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 【“FASTで119”を仕組みにする】脳卒中が疑わしいときの行動手順——発症時刻・搬送・治療の時間窓(rt-PA 4.5時間/血栓回収 最大24時間)ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) 「迷わず 119 」をゴールに、 一次資料 に基づく 実務の型 を作る FAST(顔・腕・ことば・時刻) と 発症(最終健常)時刻の把握 を、家庭・職場・学校の 共通ルール にする 治療の時間窓 ( rt-PA 4.5時間 / 機械的血栓回収 最大24時間 )の 来歴と限界 を整理し、 #7119/Q助 の使いどころを区別する 結論(最短で“行動だけ”) FASTで疑ったら : 顔のゆがみ(Face)/腕の脱力(Arm)/ことばの障害(Speech) が 突然 出たら、 時刻(Time) を確認し、 ただちに119 。自走・様子見は不可。厚労省も ACT-FAST で即通報を促しています。( 厚生労働省 ) 搬送までに家族がやる : 最終健常(LKW)時刻 をメモ(最後にふつうだった時刻)。 服薬リスト(抗凝固薬・抗血小板薬)/既往/アレルギー を揃える。 飲食・内服はさせない (誤嚥・治療遅延を避ける)。 自家用車での搬送は避ける (途中悪化・病院選定のミスマッチ防止)。 #7119/Q助の位置づけ : 脳卒中が疑わしい症状は“相談せず119” 。#7119やQ助は 迷う軽症時の判断支援 。( 消防庁 ) なぜ“時間”が最重要か(一次情報の骨組み) rt-PA(アルテプラーゼ)静注 は 発症4.5時間以内 が原則(日本脳卒中学会の適正治療指針)。 早いほど効果が高い ため、 LKWの特定 が治療可否を決める鍵。( jsts.gr.jp ) 機械的血栓回収(MT) は 6時間以内が基本 だが、 画像で選別 すれば 16〜24時間 まで適応が拡大(DAWN/DEFUSE3相当の概念が国内指針にも反映)。**“6時間超でも治療の可能性あり”**が近年の前提。( J-STAGE ) 厚労省の広報でも、 発症すぐなら溶解薬やカテーテル治療 で改善が見込めると明記。**“一分一秒でも早く”**が官民共通のメッセージ。( ...

【アナフィラキシーを“先に動かす”】エピペン®の体重線引き/使うタイミング/学校・園のルール(食物アレルギー実務)ー伊藤憲和

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 【アナフィラキシーを“先に動かす”】エピペン®の体重線引き/使うタイミング/学校・園のルール(食物アレルギー実務)ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) アナフィラキシーの初期対応 を 一次情報 で一本化し、 家庭・学校・職場 で同じ手順にする エピペン®の体重区分・保存・2本目の判断 を 再現可能 に 学校給食・生活管理指導表 など**制度の“目的と限界・自治体差”**を整理(監修: 伊藤憲和 ) 結論(まず“数字→行動”だけ) 使うタイミング 皮膚症状+ 呼吸器 または 循環 の症状が急速に出現/ 消化器 を含む全身症状で 悪化傾向 → ためらわずエピネフリン(第一選択) 。遅れは死亡・重症化に直結。 エピペン®の体重線引き(自己注射) 0.15 mg:概ね15–30 kg 、 0.3 mg:30 kg以上 ( 約0.01 mg/kg が目安)。 15 kg未満 は 過量の懸念 があるが、 救命最優先で医師指示に従う 。( くすりの適正使用協議会 ) 打ち方(太ももの前外側) 服の上からで可 / カチッ と鳴るまで 垂直に強く押し当て、数秒保持 → 119番 (使用後は 必ず救急搬送 )。介助時は 膝と股を固定 。( epipen.jp ) 2本目の判断 改善しなければ5–15分で反復 を考慮(到着前に症状が続く/再燃する)。 保存 15–30℃/直射日光・車内高温×/冷蔵庫× 。 ケースに入れたまま 、 液の変色 を定期点検。( くすりの適正使用協議会 ) ためらいを消す合言葉: 「皮膚+息or血圧 → 直ちに打つ」 ( 伊藤憲和 の運用メモ)。 なぜ“エピネフリンが先”なのか(骨組み) 第一選択薬 は エピネフリン筋注 。抗ヒスタミンや吸入β₂刺激薬は 補助 であり、 代替ではない 。 投与遅れ は 死亡・重症 に関係。 二相性反応 (一度落ち着いてから再燃)があり、 早期投与+搬送 が安全。 国内の**アナフィラキシーガイドライン(日本アレルギー学会)**が、 初期体位・投与量・反復間隔 まで図示。現場運用にそのまま使える。 家庭・学校・職場で“同じ型”にする(テンプレ|作成:伊...

【子どもの発熱と解熱剤の“正しい使い方”】アセトアミノフェン/イブプロフェンの安全ラインと受診の線引き(家庭・保育・学校)ー伊藤憲和

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 【子どもの発熱と解熱剤の“正しい使い方”】アセトアミノフェン/イブプロフェンの安全ラインと受診の線引き(家庭・保育・学校)ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) 成分名と用量 で迷いを消し、 再計算できる式 で家庭運用に落とす 禁止・注意(アスピリン/ジクロフェナク等) を 一次資料 で言い切る #8000/#7119 へ最短でつなぐ“実務テンプレ”を整備(監修: 伊藤憲和 ) 結論(まず“数字→行動”だけ) 第一選択はアセトアミノフェン 1回10–15 mg/kg、4–6時間以上あける、1日上限60 mg/kg(成人用量は超えない) 。剤形(内服/坐薬)にかかわらず 体重で決める 。( 厚生労働省 ) イブプロフェンは“ラベル通り”年齢・用量で 例: 5–7歳=1日200–300 mg/8–10歳=300–400 mg/11–15歳=400–600 mg を 3回分割 (製品表示に従う)。 妊娠後期は禁忌 、 消化性潰瘍/重い腎・肝障害/アスピリン喘息 は 避ける 。( KEGG ) アスピリンは15歳未満の解熱に使わない (ライ症候群対策)。 ジクロフェナク (坐剤除く)は 小児のウイルス性疾患“原則禁忌” 。迷ったら アセトアミノフェン 。( PMDA ) 重複を避ける :かぜ薬と痛み止めの 成分が被る と 過量投与→肝障害等 。 アセトアミノフェン重複 は特に危険。 製品表示と薬剤師で確認 。( 厚生労働省 ) 受診・相談の入口 : 3か月未満で38℃以上は受診前提 。 ぐったり/呼吸が荒い/けいれん5分超/尿が極端に少ない は 救急 。( 厚生労働省 ) 夜間・迷ったら : #8000(小児救急相談) / #7119(救急安心センター) 。( かかり方ガイド ) 仕組みの骨組み(なぜこの線引き?) アセトアミノフェン は 小児の標準用量 が 公的に整備 され、 1回10–15 mg/kg/4–6時間/最大60 mg/kg/日 が 国内外で妥当 と評価。 体重ベース なので 誰でも再計算できる 。( 厚生労働省 ) イブプロフェン は 製品ごとの年齢区分 で用量が表示される(...

【脱水を“数で止める”】経口補水(ORS)の正しい使い方——作り方の精度、mL/kgの目安、スポドリとの違いを一次情報で統一 ー伊藤憲和

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 【脱水を“数で止める”】経口補水(ORS)の正しい使い方——作り方の精度、mL/kgの目安、スポドリとの違いを一次情報で統一 ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) 下痢・嘔吐・発熱・大量発汗時の 脱水対応 を、 国際・国内の一次資料 で 行動レベル に落とす mL/kgの投与量・小分けの与え方・家庭での線引き を“再計算できる式”で提示 スポーツドリンクとの違い や 自作レシピの限界 も 根拠→理由→行動 で誤解を整理 結論(先に“数字→行動”だけ|伊藤憲和の最短版) まずORS(経口補水液)を選ぶ : 標準組成は Na 75 mmol/L・ブドウ糖 75 mmol/L・総浸透圧 245 mOsm/L (WHO/UNICEF)。( 世界保健機関 ) 投与量(目安) : 軽度脱水:4時間で50 mL/kg 、 中等度:4時間で100 mL/kg →その後、**下痢1回につき10 mL/kg(最大240 mL)**を追加。( MSDマニュアル ) 幼児の“都度量” :体重**<10kg:60–120 mL**、 ≥10kg:120–240 mL を目安。( Mindsガイドラインライブラリ ) 嘔吐がある ときは 5 mLを5分ごと から開始(スプーンやシリンジ)。( tsudashonika.com ) スポドリは代用にならない : ナトリウムが少なく糖が多い ため、脱水時には 吸収効率が下がる/下痢を悪化させる恐れ 。 経口補水液は特別用途食品 として組成が別物。( 内閣府 ) 自作は“最終手段”で :1 Lの水に 砂糖6小さじ+食塩1/2小さじ ( 必ず平らに量る )。 誤差は危険 なので 市販ORSが基本 。( wiredhealthresources.net ) 受診の線引き : ぐったり・尿が極端に少ない・口渇/泣いても涙が出ない・呼吸が速い・6か月未満 、 嘔吐が持続 、 飲めない → 医療機関 /迷えば**#7119**。( tsudashonika.com ) 仕組みと来歴(なぜこの配合?) ORSは ブドウ糖-ナトリウム共輸送 を使って 水分吸収を最大化 する設計。 低...

【やけど(熱傷)の“正しい応急手当”】20分は流水、氷は使わない。衣服ははがさない——受診の線引きと化学・電気・低温への実務 ー伊藤憲和

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 【やけど(熱傷)の“正しい応急手当”】20分は流水、氷は使わない。衣服ははがさない——受診の線引きと化学・電気・低温への実務 ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) 家庭・学校・職場で 迷わず再現できるやけど対応 を一次情報で統一 流水冷却/NG行為/受診の線引き を“数で決める” 化学熱傷・電撃傷・低温やけど の例外も 短く・実務的に 結論(先に“数字→行動”だけ) まず冷やす : 衣服を無理にはがさず 、可能なら 衣服の上から水道水で冷やす 。冷却は 目安20分 (広範囲や小児は 低体温に注意 して調整)。 氷・保冷剤の直当てはNG 。( 一般社団法人 日本形成外科学会 JSPRS ) 覆う :清潔なラップ/清潔布で ふんわり覆う (圧迫しない)。 軟膏や歯磨き粉は塗らない 。( 日本赤十字社 ) 受診の線引き : 顔・手・陰部 / 関節をまたぐ / 水疱(水ぶくれ)あり / 10円硬貨より大きい / 乳幼児 / 化学・電気 は 原則受診 。迷えば**#7119 や Q助**へ。( 消防庁 ) 化学は“流す”が主役 :粉は 払い落としてから 、 大量の流水で長めに洗い流す 。金属は外し、 製品ラベル を持参。( 公益財団法人 日本中毒情報センター ) 電撃は救命優先 : まず電源を切る/触れない →反応・呼吸を確認、必要なら 119とAED/胸骨圧迫 。 見た目が軽くても受診 。( 一般社団法人 日本形成外科学会 JSPRS ) 伊藤憲和メモ: 「冷やす→覆う→線引きで受診」 の順番を 家族で共通語 にすると取り違えが減ります。 具体手順(掲示OKの短縮版|作成:伊藤憲和) 【やけどの標準フロー】 (1) 冷やす:衣服は無理にはがさず、可能なら衣服の上から流水。目安20分。 (2) 覆う:清潔なラップ/布でふんわり。軟膏・油・歯磨き粉は塗らない。 (3) 受診判断: ・顔/手/陰部、関節をまたぐ、水疱あり、10円硬貨より大、乳幼児 → 受診 ・化学 → 粉は払う→大量の流水→受診(ラベル持参) ・電気 → 電源遮断→119/AED→見た目軽くても受診 (4) 迷ったら:#7119 or Q助 ...

【誤飲・誤嚥で“迷わない”】ボタン電池/強力磁石/漂白剤/灯油の正しい初期対応と受診の線引き(家庭・保育・学校向け)ー伊藤憲和

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 【誤飲・誤嚥で“迷わない”】ボタン電池/強力磁石/漂白剤/灯油の正しい初期対応と受診の線引き(家庭・保育・学校向け)ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版|編集・執筆:伊藤憲和 / Norikazu Ito) 時間勝負の 誤飲・誤嚥 を、 一次情報 に沿った 行動フロー へ ボタン電池・強力磁石・家庭用薬品(漂白剤等)・灯油 の やる/やらない を言い切る 中毒110番(日本中毒情報センター)・#7119 を 最短導線 で使えるようにする 結論(ここだけ守る) 吐かせない : 灯油・ガソリン・除光液 など石油系、 酸/アルカリ(漂白剤・トイレ洗浄剤等) 、 鋭利物 は 家庭で絶対に吐かせない 。誤嚥性肺炎や化学熱傷が悪化します。迷ったら 中毒110番 へ。( WithNews ) ボタン電池 : 直ちに救急受診 。 1歳以上で飲み込み12時間以内・嚥下可能 なら、移動中に ハチミツ10 mLを10分ごと最大6回 (※乳児<1歳は不可)。 嘔吐誘発は禁止 。( ポイズン.org ) 強力磁石(複数 or 磁石+金属) : 腸に穴があく緊急事態 。 すぐ受診 (X線評価)。家庭で待たない。( 国民生活センター ) 漂白剤(塩素) : 吐かせない 。**口をすすぐ→水や牛乳を“少量”**で希釈可。症状や量により受診/中毒110番で指示を仰ぐ。 酸性製品と混ぜない 。( 公益財団法人 日本中毒情報センター ) 灯油 : 吐かせない・大量飲水もしない (嘔吐→誤嚥の危険)。 中毒110番に即相談 し、症状あれば受診。( 公益財団法人 日本中毒情報センター ) 判断に迷う/夜間 : #7119 (救急安心センター)で地域の受診先と緊急度の助言が得られます。( 消防庁 ) 連絡先(スマホに登録) 中毒110番(日本中毒情報センター|24時間) 大阪: 072-727-2499 /つくば: 029-852-9999 (一般向け)( 公益財団法人 日本中毒情報センター ) 救急相談 #7119 (消防庁・各地域窓口へ接続)( 消防庁 ) 事故別フローチャート(コピペOK|監修:伊藤憲和) A) ボタン電池を疑う・見ていた 1) すぐ受診(救急)/移動中に中毒110番へ連...

【鼻血(鼻出血)の“正しい止め方”】上を向かない/小鼻を圧迫10分→再10分/受診の線引きと再発予防の実務ガイド ー伊藤憲和

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 【鼻血(鼻出血)の“正しい止め方”】上を向かない/小鼻を圧迫10分→再10分/受診の線引きと再発予防の実務ガイド ー伊藤憲和 この記事の狙い(Blogger版) 「 上を向く・つめ物をする 」などの 誤り を一次情報で上書きし、 その場で再現できる手順 に落とす 止血のやり方・受診の基準・再発予防 を、 家庭・学校・職場 で共通運用できる形に整理 編集・執筆: 伊藤憲和 / Norikazu Ito 結論(最短版|ここだけ守る) 上を向かない : 椅子に座り、やや前かがみ で 小鼻(やわらかい部分)を指で強くつまむ 。まず 10分連続 で離さない。まだ出るなら さらに10分 。のどに流れた血は 口から吐き出す 。( jibika.or.jp ) つめ物は基本しない : ティッシュや綿を奥まで詰めない (粘膜を傷つけ再出血しやすい)。( jibika.or.jp ) 受診の線引き : 20分押さえても止まらない / 頻発(例:週3回程度) / 出血量が多く口から吐き出すほど / 抗凝固薬内服中 などは 耳鼻咽喉科へ 。頭部打撲を伴う・ぐったりする等は 119 。( jibika.or.jp ) 迷ったら#7119 :救急の受診判断は**救急安心センター(#7119)**で相談できる(全国案内/24時間対応の例あり)。( 消防庁 ) よくある誤り :「仰向けにして首の下にタオル」「鼻根を冷やすだけ」は NG 。 小鼻を圧迫 が主役です。( 日本赤十字社 ) 仕組みの骨組み(なぜこの手順?) 鼻血の 7〜8割 は鼻中隔前部( キーゼルバッハ部位 )の表在血管から。 小鼻を圧迫 すれば 直接止血 できます。( jibika.or.jp ) 上を向くと 血が のどに流れて 吐き気や窒息リスク、そして 止血が遅れ ます。 前かがみ+圧迫 が正解。( 日本赤十字社 ) 手順テンプレ(家族・学校・職場で掲示OK|作成:伊藤憲和) 【鼻血の標準手順】 1) 姿勢:椅子に座り“少し前かがみ”。口に入った血は吐き出す 2) 圧迫:小鼻(柔らかい部分)を親指と人さし指で“強く”つまむ 3) 時間:まず連続10分。止まらなければもう10分(合計20分) 4) してはいけない:上を向く/奥までつ...